姉貴は俺のもの
自分の声で空気がビリビリした気がする
「 うるさいねぇーー
しょうがないだろ? 俺を裏切って、隠れるんだからさ 」
裏切るだと?
佐賀さんを押しのけ、二階の柵に手をかけて飛び降りた。
「 俺がお前なんかと仲良くするわけねぇだろがっ
馬鹿か、気づかなかったのか? 」
「 はぁっ? 」
眉間にしわを寄せる高槻を嘲笑った。
「 美奈を泣かしていいのは俺であって、お前じゃない
俺は最初からてめぇなんかの味方じゃなかったんだよ 」
どれだけ我慢してきたことか
総長に全てを終わらすためだと説得され、
事実に気づいた後も俺は美奈が犯されるのを見て見ぬフリを続けた。
「 俺はここの幹部だ。 」
そして高槻には、両親を死なせた姉を恨み
傷つけることを望んでるような弟を演じてきたのだ。
「 ふっ、そうか。 どうりで 」
高槻は納得したように不敵に笑う
「 カマかけて正解だった。
お前も美奈帆のことが好きなんだな 」
「 陸! 挑発に乗るな!! 」
佐賀さんの声に二階を見上げると、俺のことを睨んでいた。
「 ここの幹部ね……
どうゆう糸かは知らないが、
好きな女を傷つけられてよく俺にされてる事に黙ってられたな 」
高槻は拍手しながら、俺を下から覗き込んできやがった。