姉貴は俺のもの
「 美奈! 部屋で待ってろ!! 」
男どもに囲まれただけで、高槻だと勘違いし怯えてたぐらいだ。
実物を目の前にすると、固まってしまってるだろうか
それでもとりあえず今は、部屋に戻ってて欲しい
高槻と同じように背を向けているから、どうなってるかは分からない
「 フフっ、美奈帆ちゃん。 よかったねーー
まだ君のことを好きになってくれる人がいたみたいだよーーー 」
俺に抵抗しながら、顔だけ二階に向ける高槻
「 やめろ! それ以上喋ったら殺すぞ!! 」
「 どうやって? 俺に手を出せないんだろ 」
楽しそうに首を傾けて笑う高槻に、本気で殺意を覚えた。
「 ねぇ、美奈帆ちゃん。
俺に染まってしまった君を、受け入れるものは誰もいない 」
「 やめでっッ!!! 」
高槻を押し出し、振り返る
美奈は手で耳を塞ぎながら、地面にへたり込んでいた。
「 美奈! 」
「 陸は、締まりが悪くなった君をまだ好きでいてくれるかな? 」
美奈の元へ駆け寄ろうと一歩踏み出した途端、高槻が言ったことに足が止まった。
「 お願いだからやめてッ!!! 」
悲痛に叫ぶ美奈に、心が痛んだ。
「 許さねぇ、殺してやる! 」
佐賀さんが高槻の顔面に俺の拳が入る手前で、俺のことを後ろに引っ張った。
「 離してください! 」
「 ダメだ!! 」
佐賀さんにも勝ちそうな力を出し、逃れようとしたが
他の幹部たちまで俺を止め始めた。
目の前に腹を抱えて笑う高槻がいるのにっ
怒りでどうにかなりそうだッ…。