姉貴は俺のもの
「 やめろ! それ以上喋ったら、殺すぞ!! 」
「 どうやって? 俺に手を出せないんだろ 」
高槻はクスクス笑いながら、陸を挑発するように見る
「 ねぇ、美奈帆ちゃん。
俺に染まってしまった君を、受け入れるものは誰もいない 」
「 やめでっッ!!! 」
陸の前で言わないでッ……
何もかも遮断するように耳に手を当てながら、地面に座り込んだ。
「 美奈っ!」
来いと言われれば何処へでもついて行く
だから、これ以上私のことを陸に話さないでっっ
「 陸は、締まりが悪くなった君をまだ好きでいてくれるかな? 」
頭を鈍器で殴られたような衝撃が走り、吐き気がした。
「 お願いだからやめてッ!!! 」
殴りにかかった陸を、色んな人たちが止めるなか
あの男はお腹を抱えて笑っていた。
「 美奈っ、俺はこいつがどういおうとお前のこと好きだぞ! 」
陸、もういいから………
そんな嘘つかないでッっ。
「 ヒグっ、陸ぅッっ______ 」
肩を震わせながら、しゃくりあげる
だんだん息を吸うペースが早くなり、そのうち酸素が取り込めなくなっていった。
「 美奈?! 」
喉を手で押さえながら陸を見る
一生懸命呼吸しようとするのだけど、
空気が入ってこない
「 ちょっ、離してくださいッ 」
こちらに来ようとする陸の後ろで、
高槻が腕を上げた。