姉貴は俺のもの
_____________ ここは?
ズキズキと痛む頭を片手で抑えながら、立ち上がった。
「 そう、こ?? 」
ここに来た経緯も分からなければ
自分が誰かもわからない
……………ただ、陸という名前だけが頭にあった。
「 美奈帆ちゃん! 大丈夫か?! 」
その呼び方に悪寒が走り、眉をひそめながら知らない男たちに人差し指を突き出した。
「 私に近寄らないで!
ここはどこなんですかっ?! 」
警戒しつつ、強面の人たちに尋ねる
私のことを心配してくれた黒髪の男の人は、
当惑した表情を浮かべながら後ろへ振り向いた。
「 美奈……… 」
肩から血を流して顔面蒼白になってる人は、
知らないはずなのに知ってる人みたいだった。
「 陸、どうなってるんだ? 」
「 分かりませんっっ。 何があったんだか… 」
痛みに顔をしかめる陸という人は、私を心配するどころじゃないほど
傷の具合が酷そうだ。
「 、? 陸?? 」
小首を傾げながら名前を復唱した。
もしかして、私が唯一覚えてた名前の人?
「 イッっ___ 」
「 大丈夫か?! 」
膝から崩れ落ちそうになったのを、横にいた人が受け止める
思わず私もその人に駆け寄りそうになった。
「 大丈夫、です。 すみません佐賀さんっ」
額に汗が伝ってて、早く病院で診てもらったほうがいいのに
それでもなお、陸という人は私のことを見ようと顔を上げてきた。