姉貴は俺のもの
………あれ? なに、これ??
悲しくもないのに辛そうにされればされるほど、涙が止まらなくなる。
「 陸、女を連れて一緒に病院に行け 」
「 総長?? 」
怖い人たちに道を開けさせて、堂々と登場したのは
背が高く、金髪だけど温厚そうな男の人
付近の人たちの緊張ぶりからして、優しそうなのは見た目だけだというのが分かる
「 だいたいの事情は聞いた。
病院までの道のりは、佐賀をつけてやるから安心して行ってこい 」
「 でも、総長っ! 」
陸という人は、自分に命令した人物の放つ殺気にやられたのか
口をつぐんでしまった。
「 俺に歯向かうのか? 」
「 ……………… 」
「 俺の命令が聞けないと。
その怪我で足手まといになると分かっていながらも、報復に連れて行って欲しいと言いたいんだな? 」
怒った口調で話す様子に、佐賀さんと言われてた人が二人の間に入った。
「 …いえっっ 」
悔しそうに顔をうつむかせて、否定する
病院に行くだけでえらいやり取りだ。
「 忘れるな。
お前の目的は、高槻だ。 あの馬鹿どもチームじゃない 」
ドクッ
高槻っ。
無意識にその苗字に身震いした____