姉貴は俺のもの

「 ___陸くんさ。

あの人たち、ジュースとか飲む?」


「 っッ……

逆にジュース嫌いな奴いんの 」


突然 陸くんと呼ばれ、不覚にも頬が赤くなる。




「 そうだよね。

どんなんがいいかな…… 」



「 さぁ。 適当でいいだろ、そんなもん 」



冷蔵庫にあるさまざな種類のジュースを選び迷ってる後ろ姿の美奈に言う



「 陸くんは………パイナップルジュースでいい?」


「 えッ。 」



覚えているはずのない俺の好物を言い当てられ、口元が緩んだ。



「 だめ?


なんとなく、このジュース好きかなって思ったんだけど 」



何と無くであろうが、そんなもの俺には関係ない


「 大丈夫だから早くそれ、飲ませろ 」



美奈に表情を隠すようにして、携帯を顔の前に持ち上げながら命令した。


「 ふふ、はいはい。


陸くんはなんでも一番じゃないとダメみたいだね 」



美奈は右手の拳を鼻の上に当てながら、含み笑いする



「 しょうがないだろ、、、


俺は誰よりも優秀なんだから。 無論、お前よりも 」



そう告げると、美奈はにっこり笑いながらグラスを力強くテーブルに置いてみせた。


「 今のうちだから。


いつかギャフンと言わせてやる 」




「 期待してるよ


いつもギャフンと言わせてもらえないけど 」



美奈が思ってるのとは違って、自分の好物を言い当てられ機嫌がいい俺は


出されたパイナップルジュースを飲みながら口の端を上げて笑った。


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