姉貴は俺のもの
美奈side



黒い靄が顔にかかった人は、私の大嫌いな人だった。



見慣れたはずの道は、今よりもだいぶ細くなっていて

その人から逃げるのを困難にする





助けて!


そう言いながら走ろうとするが、追いつかれた私は

微動だにできなくなった。




私を捕まえてるその男は、背後に人間とは思えぬほどの異様な空気を身にまとっている


そしてその空気は、男の手を伝って掴まれている私の腕に絡みついてきた。




______逃げられないッ



足掻いたところでどうにもならないのだ。




一筋の希望などない心の中で、私は男に屈服した。





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