姉貴は俺のもの


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「 おいっ、美奈


いつまで寝てんだ 」



少し怒ってるような………


でも私のことを心配するような声色



夢から半分戻りつつある意識の中で、

自分がうんうん唸っていることを知った。




「 早く起きろ

もう晩御飯の時間だぞ 」


・・
また、陸くんが作ってくれたの?



最初の方は続いていた不器用な料理も、

陸くんは文句一つ言わずにただ俺の方が上手いな、

なんて皮肉を言いながらも食べてくれた。




でも、それも徐々にこの夢のせいで無くなっていって……



今じゃ嫌味を言われてムッとしていた自分が恥ずかしくなる始末。





朝起きると昼過ぎまで気分が暗くなるし、


昼間は昼間で、すぐに眠くなってしまう。



………あの夢を見て気分を重くさせながら晩御飯を食べるために目覚めるようなもんだから

ご飯など作れるわけがない




ただ寝て起きて、食べるだけの生活。





_______まさに、生きた屍


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