姉貴は俺のもの
好きになっちゃう
陸side


黙々とご飯を食べる美奈の表情を伺った。


美味そうに食ってる……




ずっと家にいると、記憶をなくしただけの事がある症状が多々出ていた。



たとえばさっきの昼寝だ。


夜だって8時間以上寝てるっていうのに、昼を食べるとすぐ眠くなるようだった。


睡眠の質が悪いのが原因だろうが____



「 美奈、晩御飯食ったら出かける用意しろ 」



だから仲間に無理言ってこの願いを了承してもらった。


「 え、どこに??

てか出かけるなんて聞いてないんだけどっ。



口の中に入ってたものを慌てて飲み込み、身体を前に倒して尋ねてくる



「 言ってないからな 」



ストレートにそう答えると、食べ終わったお皿を洗い場に持って行った。



美奈はそんな俺を目で追い、混乱した表情を向ける


「 じゃあ、せめてどこに行くのか教えて? 」


教えてやりたいけど………


「 ……秘密。 」




記憶のあった頃の美奈が、行きたいと呟いていた場所



美奈は昔からサプライズが好きだから



できれば記憶のない状態であっても、サプライズをして喜んで欲しいんだ。




「 教えてくれないのなら行かない 」


「 はっ

お前に拒否権があるとでも? 」



背を向けながら言ったが、見なくてもわかる



舌出して ベーってしてんだろな



……………これが仲間だったら半殺しのところだ。

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