姉貴は俺のもの


ふわりと陸くんの体から匂いが漂ってくる



「 えっ。」


「 何だ? 」


振り向きざまに、また私の鼻を何とも言えない
いい匂いがかすめた。



なんでっ、


私と同じ洗剤使ってて何で匂いが違うの??



私がなにも言わずに陸くんをじっと見ていたからか、

陸くんは 私の二の腕を掴み、軽々と自分の背に乗せた。



「 え?!

何っ?? 」


周りのお客さんに見られるだけじゃなく、

いい歳して人に背負われるのも恥ずかしかった。



「 何って、おんぶだけど。

もしかしてお姫様抱っこの方を希望してたか? 」


な訳あるか!


首を横に振りながら床を指差す


「 降ろしてっ! 」


「 は? 」


陸くんは眉間にしわを寄せて、腕の力を緩めない。


どうして分かってくれないかね……




「 だーかーらっ!

下に降ろしてよ! 」




「 …やだ。 降ろしたらお前、まともに歩けねぇだろ 」



「 _______。 」


やだ??




否定の仕方が子供っぽくて、一瞬このままでもいいか。


何て思いかけたけど、やっぱり周りの目が気になって陸くんの背中の上でバタバタと暴れた。



「 あ、おいっ 美奈!

危ないってッ___ 」



首を後ろにひねり私の目を下から覗いてくるもんだから、

また抵抗をやめてしまう


「 っッ………… 」



いつもと逆だから、余計変な気分だ。



いつもなら、私が陸くんを見上げ見ているから。






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