姉貴は俺のもの


陸くんは顔を前に戻し、人目の少ない隅の方へと移動した。



「 クラゲ、見に行こうぜ。


せっかくだしよ 」



「 う……うん。 」



ずっと胸がドキドキしっぱなしだ。


いろんな意味で早く、いつもの陸くんに戻って欲しい



「 _______疲れた、よな? 」


「 あ、いや……

別に……。 」


そりゃ人におぶってもらわないといけないほど、疲れてはいるけど


陸くんに迷惑をかけても、もう少しこのままでいたいと思ってる自分がいる





「 あれ………

だとしたら戻って欲しいって事にはならないのか。 」


私の独り言に陸くんは首を傾げながら、

クラゲ水槽の手前で私を下に降ろしてくれた。





「 無理だけはするなよ。

立ってられないほど辛かったら、このまま帰ってもいいんだからな 」


「 え、でもプロジェクトマッピング見たいんでしょ? 」



「 俺が??


な訳ないだろっ。 」


鼻で笑われ、目を点にする



「 見たいのはお前の方なんじゃねぇの? 」



トクッ



耳の近くで心臓の音がなったように思った。


< 78 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop