姉貴は俺のもの
陸side



承知の上での告白。


とでも言えばいいのだろうか



美奈は泣きながら、
俺のことが怖くて恋人になるのを了承したこと。


けれど好きになってしまい、

俺のことを騙してることへの申し訳ない気持ちに気づいたこと。



それら自分の思いを全て打ち明けてくれた。


話し終えた美奈は、どこかすっきりとした表情をしていて

でも、罪悪感からか暗い表情でもあった。


「 陸くん。 ごめん……ね? 」


目の淵にある涙を乱暴に拭う瞬間、美奈は目をぎゅっとつぶった。




殴られるとでも思ったか。


俺がそんなことする訳ないのに



「 知ってた。


お前が虚勢張ってることぐらい、俺が見破れないとでも? 」


平然と言う



硬かった顔が、だんだんと和らいでいった。



「 それよりも俺は、大事な告白が

ややこしくなってあやふやになってるのを怒ってる。 」


「 えッ 」


目を丸くする美奈に、男らしさを守るために顔を横に向ける



「 もう一回言え 」


「 許して、くれるの? 」



「 そもそも、許す許さないっていうような問題でもねぇだろ 」


「 そっかぁ…… ありがと。



陸くん、大好きだよッ 」


美奈は、頬をピンク色に染めながらそれは幸せそうに笑った。




一生、こんな笑顔見れないと思ってた……



美奈の方に歩み寄ると、片手を美奈の後ろに回して自分の方へ引き寄せた。



「 なっ、 へ?? 」



「 …びっくりすることでもねぇだろ 」



自然の成り行きだ。


大好きな美奈の背に両手を回し、
胸にしっかり抱き寄せた。






「 このまま、お前が記憶を取り戻さなければな……… 」



つい本音が出てしまい、

言った後に気まずさを覚える。



「 へ? 」



「 俺を好きになるの、許してやるよ 」






その代わり二度と_____。 俺から離れて行くんじゃねぇぞっ 」


美奈の肩に顔を埋め、息を吐くようにして言った。


< 80 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop