姉貴は俺のもの
陸side


今の美奈は、何も知らない美奈だけど

それでも俺が惚れた女に変わりなかった。




だから好きだし、付き合うことになったなんて事

嘘だと疑いそうになる程の奇跡だと思う。



早くっ


昔の美奈の影を忘れないとな。



このまま、記憶のないこいつで居てくれることを望むのなら……



「 お客様〜

仲の良さそうなカップルですね。



デートの記念に、ペアのネックレスなどどうでしょうか 」



「 ごめんなさい、今はそれどころじゃ無いんです。」


店員を軽くあしらってるが俺を心配する美奈の目は明らかに

ネックレスが気になってるようだ。




「 ですが、このネックレスはカップルの間でも人気の商品なんですっ。



これを身につけた二人は一生結ばれるとも言われていて_____ 」



推しのきつい店員だな


そういう推しに弱い美奈は、最初から気になってたこともあり若干釣られかけていた。


「 美奈。 」


手を伸ばして、デコピンする



お前が心配するようなことは何もねぇよ


………これは、俺だけの問題。


「 痛ッ! えっ、何?!」


ビックリしてる美奈に、好きそうな物を適当に押し付けた。



「 は、何これ?? 」



店員が勧めたヤツではなく、自分が好きなサメの歯がついた青色のネックレスだ。


美奈は手の上にあるそれを見て、俺を見た。



「 人に選ばれた物を、俺は買う気にはなれねぇんだよ。 」



眉間にしわを寄せながら、店員にわざとらしく背を向ける。


「 …………… 」



「 なんだ、土産はそれだけじゃ不満か。」



そこら辺にある物で美奈が欲しがりそうな物を探すが、ない。



____どうしたものか



心の中で大きなため息をつく




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