姉貴は俺のもの
「 総長 命令だ。」
「 なんだ、総長ですか 」
え、何その期待外れみたいな言い方ッ
あぁ
どうか佐賀さんがキレませんように。
暴走族二人が家で喧嘩する姿を想像すると、
身震いしてしまう
「 説得させられたんだ。
陸が美奈帆ちゃんと付き合うことで、精神的に成長するんじゃないかってな。 」
ドクッ
佐賀さんは私に笑顔を向けてくれたのだが、
真っ青な顔色しか見せられない
「 ちょっと佐賀さん、その呼び方変えてもらっても良いですか 」
陸くんは立ち上がり、私の頬にキスをする
「 な、何っ? 」
手で唇が触れた部分を覆い、見上げる。
「 美奈、この人は安全だって分かってるだろ
そんなに警戒すんな 」
別に警戒したいわけじゃない
ただ身体が勝手に強張ってしまうんだ。
「 ………すまない。
確か名字は、桜木。だったっけ? 」
人の目を気にするような笑みに、申し訳ない気持ちになる。
「 あ、はい
そうです 」
手を下ろし、肯定した。