姉貴は俺のもの
「 じゃあ桜ちゃんって呼ぼうかな 。
そろそろ春になるし、その方が似合ってるだろ 」
「 はい
それでいいですっ。 」
あだ名のおかげで、初めて佐賀さんに
呼ばれても迷惑をかけているかもと思わずにすめた。
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しばらくの間 私を蚊帳の外にして何やらヒソヒソ話をしていた二人は、
家のインターホンが鳴ったことで中断された。
「 すみません、佐賀さん。
ちょっと出て来ますね 」
誰だろ
ソファーに座ってる佐賀さんに頭を軽く下げると、めんどくさそうに玄関へと向かう陸くんの後ろ姿をじっと見つめる
「 桜ちゃん、どした? 」
睨んでるような目つきでもしてたのか、ふんわりした微笑みを浮かべる佐賀さんに首を横に振った。
椅子から立って、窓の外に近寄る
外では陸くんと、知らない女の子が話していた。
女の子は顔を赤く染めて、嬉しそうに陸くんに語りかけている
陸くんの表情は私からは見えない。
その後も女の子は、なんやかんや陸くんの体をベタベタと触り
それをあの陸くんも嫌がる訳でもなく受け入れて話を続けていた。