姉貴は俺のもの
三人ほどが女の子を囲み、時々手を横に振ったりして
若干驚くような会話をしているようだ。
嫌な予感しかしなくて、今は窓から離れておくことにした。
陸くんのことを話しているんだろうか
それとも私………?
いや、私はあの人のこと知らないし
話すこともないだろうからそれはないよね。
コンコン
「 はいッ! 」
何か悪いことをしていたみたいに、慌ただしい返事をして心臓の脈が早くなる
「 美奈____、?
入っても大丈夫か。 」
扉に小さい隙間ができて、穏やか声色が聞こえてくる
あぁ、さっきの事さえなければな。
顔を反対に向けて、眉をキュッと寄せる
「 ダメ、入ってこないで。 」
「 …………分かった。 」
私の僅かな期待に反し、扉は全開にされる事なく
同じ状態のまま。
なんでよっ。
無理して入ってきてよ。
自己中な俺様でしょ??
「 美奈、佐賀さんに聞いた。
あの女とは何でもないからな 」
「 そう。 」
悲しい嘘だね。
何でもないことなんてないんでしょ
その証拠に陸くんは、私があの女の子と陸くんを見て嫉妬してたのを佐賀さんから聞き
下手に出てきてるんだから。