となりの芝田は、青い。
「なにか言われるかな……」
「言いたいやつには好きなように言わせとけ」
「でも……」
「堂々としてればいーよ」
「そうじゃなくって。芝田はいいの?」
「なにが」
「キャラじゃないって思われるかも」
わざと子供っぽく振る舞ってきたんでしょ。
なのに突然キャラ変なんてしちゃっていいの?
「それなら問題ねーよ」
「そうなの?」
「青臭い芝田くんは卒業しました」
そっか。
わたしがつい目を奪われた(ウザかったからね)、あの芝田には……
もう、会えないんだ。
「さ、行こ」
「……うん」
学校まで徒歩で10分もかからない通学路は、これまでずっと近くて便利だって思ってたのに。
もっと道のりが長ければいいのにと感じてならない。
そうか、わたしは芝田との時間大好きなんだなって気づくと……
なにを話せばいいかわからなくなってきた。
「手始めに次の定期テストで一番でもとって教師陣をあっと言わせてやるか」
「え、一番とれるの!?」
「ラクショー」
「ほんとかなぁ」