となりの芝田は、青い。
「あちぃー」
そういって汗をタオルでぬぐいながら教室に入ってくる芝田。
もうすぐ球技大会があるのだが
男子は休み時間になるとバレーコートで猛練習しているのだとか。
一方、女子は
「焼けたくない」と極力外には出ていない。
体育の時間になれば、朝家を出る前に塗ってきた日焼け止めクリームを重ね塗りする。
それでも体操着や靴下のラインを境目に肌の色が2色に分かれているのが憎い。
憧れの同年代のモデルはみんな色が白い。
あの子たちは本当に日の光にあたって生きているの……?
「薙乃ちゃん」
「……ん?」
「薙乃ちゃんは練習しないの?」
隣の席にかける、芝田。
「しないよ」
「なんでー?」
「わたしが日焼けしたくないの知ってるでしょ。他の子もそうだよ」
「スポーツして日に焼けた肌の女の子、いいと思うけどな俺」