秘密の会議は土曜日に
その声は、鬼畜皇帝!?


眉を歪めて表情を曇らせているけど、まさかその手は私の汗を拭いて下さっているのでしょうか。


「これは大変失礼をいたしました。皇帝閣下御自ら私などの世話をしてくださるなど!!

何がどうなってこのような事態に陥ったのかわかりませんが、誠に申し訳ございません!」


「皇帝、閣下……?

田中さんはさっき会ったときに倒れてしまったんですよ。何やら俺には理解できない深淵なことを言った後で。

具合はどうですか?」


「左様でございましたか!それはますます申し訳ございません。

私は体が丈夫なだけが取り柄ですので、問題ございません。」






「良かった……」



体がフワッと未知の感覚に包まれて、気がつけば暖かい腕の中にいる。これは一体何事?


「倒れるほど無理して仕事する必要なんかないんですよ。

俺が仕事を依頼したせいであなたに何かあったらどうしようかと心配しました。」



何ですか、その優しげな声音は。


リアルには知らないけど、私だって少女マンガとかドラマとかで知ってる。この状況は『抱きしめられてる』というヤツだ。


普通は仲睦まじい男女間で為されることだと思うので、私相手にここまでのことをする意義がわからない。
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