秘密の会議は土曜日に
会議の召集場所は南青山というお洒落な立地にあり、その中でもひときわ大人な雰囲気の漂うカフェだった。ご命令でもなければ私は一生立ち入れないような気がする。
慣れない場所にそわそわして店内を眺めていると、閣下がウエイトレスの人に案内されてこちらにいらっしゃるのが見えた。
「こんにちは。すみません、お待たせしてしまいましたね。」
「いえ、ご心配には及びません!閣下のご到着時刻は定刻通りです。私が勝手に時間前に参じているのであります。」
起立して答えると、何故かウエイトレスの女性は下を向いて手で口を覆いながら足早に去っていく。
「……そういえば危うく俺が慣れそうになってたけど、『閣下』は無いでしょう。口調もだんだん軍人みたいになってきてるから。」
「はっ。失礼しました閣……高柳様!」
「まずは座って、理緒さん」
「承知しま……りりりりり理緒さん!?」
「理緒さんが俺に勝手な呼び名をつけるんだから、俺もそうさせて貰っただけですよ。」
「さ、左様でございまするかっ」
改めて着席すると、閣下……じゃなくて高柳様はテーブルに広げたノートパソコンをしげしげと眺めている。
「理緒さん、仕事でもしてたんですか?」
「いえ、これは本日の議事録用に起動しております。」
「ははっ……そうか、打ち合わせと言ったからか。でも今日は議事録要らないですよ。」
「いえ、ご遠慮なく。
これでも私は議事録は得意なんです。出席している会議全てで議事録を任されている程ですから。」
「それは単に面倒な仕事を押し付けられてるだけだと思う……。」
慣れない場所にそわそわして店内を眺めていると、閣下がウエイトレスの人に案内されてこちらにいらっしゃるのが見えた。
「こんにちは。すみません、お待たせしてしまいましたね。」
「いえ、ご心配には及びません!閣下のご到着時刻は定刻通りです。私が勝手に時間前に参じているのであります。」
起立して答えると、何故かウエイトレスの女性は下を向いて手で口を覆いながら足早に去っていく。
「……そういえば危うく俺が慣れそうになってたけど、『閣下』は無いでしょう。口調もだんだん軍人みたいになってきてるから。」
「はっ。失礼しました閣……高柳様!」
「まずは座って、理緒さん」
「承知しま……りりりりり理緒さん!?」
「理緒さんが俺に勝手な呼び名をつけるんだから、俺もそうさせて貰っただけですよ。」
「さ、左様でございまするかっ」
改めて着席すると、閣下……じゃなくて高柳様はテーブルに広げたノートパソコンをしげしげと眺めている。
「理緒さん、仕事でもしてたんですか?」
「いえ、これは本日の議事録用に起動しております。」
「ははっ……そうか、打ち合わせと言ったからか。でも今日は議事録要らないですよ。」
「いえ、ご遠慮なく。
これでも私は議事録は得意なんです。出席している会議全てで議事録を任されている程ですから。」
「それは単に面倒な仕事を押し付けられてるだけだと思う……。」