秘密の会議は土曜日に
高柳様はいつのまにか私の分までお会計を済ませてしまって、お金を受け取ってもくれない。


「俺が勝手に誘ってるんで金とか要らないです。

それから、この店の焼菓子が売られてたんで良かったら食べて下さい。今日のお礼です。」


「お礼など、とととんでもない。高柳様こそプロジェクトのためとはいえ、私などにお時間を頂きまして本当に申し訳ございません。」



帰りがけに「議事録楽しみにしてます」と言われ、まるで自分には大きすぎる仕事を任された時のようにプレッシャーを感じた。



かくして私は帰宅するなりノートパソコンを開いているのだけれど、さっきから全く議事録が書けていない。


得意だと言い放ってしまったものの、何も仕事の話をしていない会議の議事録なんてどうやって書いたら良いんだろう?


唸りながら考え込んで、どうにかその議事録を三時間以上かけて仕上げた。


私が送付した内容は次の通りだ。
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