秘密の会議は土曜日に
ロボット相撲というのは子供向けのプログラミング練習ソフトで、簡単なプログラムでロボットを操作して戦わせる遊びだ。私はその日も容赦なく相手を撃退して、子供たちに怒られた。


「ねーちゃんはそういうとこがダメなんだよー。普通大人は手加減するもんだぜ?」


「それはできませんよ。妥協したらシステム屋を名乗れなくなりますからね。君たちが工夫してもっと強くなってください。」


「融通きかねーと男ができないだけじゃなくて、仕事もできねー女になるぞ!」


……ここに来る度に思うのだけど、子供の指摘というのはわりと容赦がないのだ。



結局、高柳様から頂いたお菓子は食べるのが勿体なくて、しばらく会社のデスクに飾っている。


なぜかこれを見ているだけでお腹いっぱいになってくるのだから、さすが高級なお菓子はいつも私が食べているものとは違う。


数日後に、高柳様から次の臨時会社の指示が来た。



日時:2/24 12:00-
場所;有楽町 しのはら

持ち込みデバイス:PC不許可
休日の服装で来てください。



次回はパソコン持っていったらダメなんだ。

しかも私の休日の服装と言えば、基本的にジャージかボランティアスタッフ用の真っ青なパーカーなんだけど、本当にその格好で構わないんだろうか。


やっぱりいつもの喪服スーツの方が……と考えて、まずは先輩に相談してみる。


「吉澤さん、すみません。クライアントから指示された服装が仕事に相応しくない程カジュアルな時はどうしたらいいんでしょう?」


「はぁー?何だその質問は。サーバールームにでも入るのか?ああいう場所はスーツだと空調が寒すぎるから気を利かしてくれてるんじゃないの?

客がカジュアルで良いって言ってるならそれでいいだろ。」


「なるほど、了解です。ありがとうございます。」


やはり先輩は頼りになるし有り難い存在だ。
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