秘密の会議は土曜日に
既に話題はエッチな話……いわゆる下ネタというものに変わり、私は空気と化していられるようにじっとしていた。
「彼氏に電話かけさせながら……っていうのが一番ヤバかったかな。いつもより凄くなってるくせに、声我慢してるのが堪らねーの。」
「あはは、それお前相当ヒドイ奴じゃん。でも浮気する女も大概かー。
で、理緒ちゃんはこれまでどんなシチュエーションが一番興奮した?」
話を振られてビクッと固まる。ええと確か『下ネタには乗りすぎず、露骨に嫌がらず。』だっけ?とにかく嫌がってはいけないのだ。
「わたくしにはっ。不勉強ながらそういった経験がございませんので!」
「え……まさか理緒ちゃん処女?」
珍獣を見るような、好奇心剥き出しの視線に晒されて泣きたくなる。
追い討ちをかけるような質問に……「えー、じゃあ淋しいときどうしてるの。ってか、どう、シてるの?」「女の子にそういうこと聞くなよー」という話は聞いてるだけで恥ずかしい。
これを嫌がってはいけないとは、飲み会の作法とはこうも厳しいものなのか。誤魔化すためにお酒を飲んで、それでも少しも酔う気配は無かった。
「じゃあ、キスは?キスくらい経験あるよね」
「それ、はっ……」
土曜日の高柳さんとのキスを思い出して、火が付いたように顔が火照る。
「そのリアクションわかりやす過ぎ。ねえ、どんなキスだったの?」
こんな場所で、たった一言だってあの時のことは言いたくない……。
「御手洗いに行ってきますっ!」
気付けは逃げるようにその場を離れていた。中庭が見渡せるガラス張りの長い廊下。間接照明が照らす綺麗な空間だけど、今の私にはただ怖くて身の置き所がないだけ。
「彼氏に電話かけさせながら……っていうのが一番ヤバかったかな。いつもより凄くなってるくせに、声我慢してるのが堪らねーの。」
「あはは、それお前相当ヒドイ奴じゃん。でも浮気する女も大概かー。
で、理緒ちゃんはこれまでどんなシチュエーションが一番興奮した?」
話を振られてビクッと固まる。ええと確か『下ネタには乗りすぎず、露骨に嫌がらず。』だっけ?とにかく嫌がってはいけないのだ。
「わたくしにはっ。不勉強ながらそういった経験がございませんので!」
「え……まさか理緒ちゃん処女?」
珍獣を見るような、好奇心剥き出しの視線に晒されて泣きたくなる。
追い討ちをかけるような質問に……「えー、じゃあ淋しいときどうしてるの。ってか、どう、シてるの?」「女の子にそういうこと聞くなよー」という話は聞いてるだけで恥ずかしい。
これを嫌がってはいけないとは、飲み会の作法とはこうも厳しいものなのか。誤魔化すためにお酒を飲んで、それでも少しも酔う気配は無かった。
「じゃあ、キスは?キスくらい経験あるよね」
「それ、はっ……」
土曜日の高柳さんとのキスを思い出して、火が付いたように顔が火照る。
「そのリアクションわかりやす過ぎ。ねえ、どんなキスだったの?」
こんな場所で、たった一言だってあの時のことは言いたくない……。
「御手洗いに行ってきますっ!」
気付けは逃げるようにその場を離れていた。中庭が見渡せるガラス張りの長い廊下。間接照明が照らす綺麗な空間だけど、今の私にはただ怖くて身の置き所がないだけ。