【続】ねぇ…先生。。
『えっと、まずお知らせな。
来週、調理実習やるから。
西城先生も参加な~』
え?!何?!何それ…?!
授業が始まってすぐの先生の言葉に私の頭はついて行かない。
だって…調理実習って…
しかも私も参加って…
『西城先生…昔、料理うまかったもんな?
余裕…ですよね??』
挑発的な目で私を見る先生。
ズルイ…ズルイよ、先生!
「零先生、秋ちゃんに教えてもらってたの??」
私の前に座っている真希ちゃんが後ろを向く。
「先生がまだ先生になったばっかりのとき、私高2だったんだ。
だから1年間教えてもらってて、
で、次の年は副担だったよ」
小声で真希ちゃんと話す。
その間、先生は黒板と向き合っていて。
あの後ろ姿…懐かしいな…
なんて思いながらずっと背中を眺めていた。
ある程度書いたところで先生は振り向いて。
私の顔を見てニヤッと笑った。
クラスのみんなにバレてるんじゃないかと気になったけど、
みんなは黒板を移すのに夢中で
誰も気づいていないようだった。