【続】ねぇ…先生。。
いない寂しさ
下からマンションを見上げると俺たちの部屋は真っ暗で。
もしかして…零、いないのか?
不安の波が俺を呑み込もうとする。
『大丈夫。
大丈夫だ、秋平。
もう遅いから…零ちゃん、寝ちゃったんだろ?』
祐司のこの言葉にギリギリ波に呑み込まれずに済む
『だよな』
そう、きっとそうだ。
もう夜中の2時だもん。
さすがの零も寝てるよな
俺はそう自分に言い聞かせ祐司に背を向けた。
『俺とお前は親友なんだから。
またなんかあったときはいつでも電話しろよ?』
祐司はそれだけ言って帰って行った。
たったこれだけの言葉なのに
俺はひどく安心していた。
祐司がいる、そう思うだけで不安が減る。
1段1段ゆっくりと階段を昇って行く。
自分の部屋の前で深呼吸し、ドアノブを回した。
でもカギは閉められていて。
って、当たり前か。
こんな時間なんだもんな。
秘密の隠し場所からカギを取り開ける。
『…………ただいま』