【続】ねぇ…先生。。
季節は冬に近い
廊下は凍えるような寒さで。
俺は急ぎ足でトイレに入る。
トイレなんて行かなければよかった。
トイレに入ると零のお気に入りの芳香剤の匂いが鼻につく。
たったそれだけで俺はまた、泣きそうになった。
目を覚まさせるために洗面所へ行く。
もう…イヤだ。
この家には零を思い出すものが多すぎる。
『具合を見てちゃんと帰すから』
藍葉はそう言ったけど零は帰ってくるんだろうか。
ちゃんと、俺のところに戻って来るんだろうか。
急にものすごく不安になった。
このまま零は戻って来なくて、
俺じゃなく、亮二を選ぶんじゃないか。
悔しいけどそう思わずにはいられなかった。
なぁ…零
帰って…来るよな?
俺のところに…戻って、来るよな?
なぁ…零
俺、お前がいないと何もできないよ…
俺、お前がいないと寂しくてどうしようもないよ…
零…早く、帰って来てくれ…
◆先生目線 終◆