【続】ねぇ…先生。。
『零が家を出て行ったんです。
あ、でも先に家を出たのは俺なんですけど』
やっぱり水谷先生には敵わない。
黙ったまま1人で解決することは不可能で。
俺が唯一頼れるのは水谷先生だけで。
この際だから何もかも言ってしまおう。
『ただの俺の嫉妬が全ての原因なんです。
零の大学の友だちに亮二ってヤツがいるんですよ
で、たまたま俺が迎えに行ったとき零と亮二が仲良く歩いてて。
どっからどう見てもカップルに見えるんですよ。
それに亮二は零のことが好きなんですよね、絶対
亮二が原因で少し、ケンカしちゃったんですよ
で、俺家飛び出して。
学生時代の友だちと話してたんです。
それで慰められて家に帰った。
零ときちんと話し合おうと思ったんです。
でも…家は真っ暗で。
零、どこにもいなくて。
テーブルの上に置き手紙があったんです
「先生が見えない
先生の考えてることが分からない
私も先生も冷静にならないといけないんだと思う」
そう、書いてあった。
俺、思ったんです。
零は俺より大人になってるんだな、って。
いつの間にか俺を追い越してたんだな、って。』
ふと、頬に手をやると濡れていた。
気づかないうちに涙が溢れていたんだ。