【続】ねぇ…先生。。




「1人で走ってちゃダメですよ

零ちゃんと肩組んで二人三脚しなきゃ、ダメですよ


つまづいたなら足に結んだひもを結び直して
また一緒に走り出せばいいじゃないですか

走ることに疲れたなら
歩けばいいじゃないですか


どうして1人で走り出したんですか?

どうして休まずに走り続けようとするんですか?


零ちゃんはきっと、気がついたんですよ


朝倉先生が焦ってることも

朝倉先生が迷ってることも

気がついた。


でもどうして焦ってるのか

どうして迷ってるのか

分からなかった。


だから家を出て行ったんだと思います



先生…?

いいんですか…このままで。


先生はそれで、いいんですか??」



バカだった


愚かだった



俺は何も分かっちゃいなかった


零のことなんでも分かってると思ってた。


でも、分かってなかったんだ。



零の悩みも迷いも不安も、

何もかも、分かってなかった。



教師も


彼氏も



失格だな









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