【続】ねぇ…先生。。
『さっきさ、俺のせい…って言ったよな?』
さっきの声…聞こえてたんだ。
聞こえてない、そう思ってたのに。
『あれ…どういう意味だよ?』
なんでもないの、そう答え俯く。
言えるワケがない。
「亮二のせいで先生とケンカしちゃったんだよ」
なんて。
『朝倉さんはきっと…気づいたんだろうな
……………俺のキモチ』
亮二はそんな意味深なことを言う。
そもそも亮二は出会ったときから意味の分からないことをよく言った。
初めて亮二と喋ったとき。
「初めまして、西城零です」
そう私が自己紹介したのに対して
『あれ?俺と初めてじゃないんだよ』
亮二はそう言った。
首を傾げる私に
『なんて冗談だよ』
亮二は笑いながらそう言ったけど目だけは真剣だった。
やっぱり亮二は分からない。
いつも笑ってるからこそ何を考えてるのか分からないし
怒ったところも見たことがない。
4年間、一緒にいたのに。