【続】ねぇ…先生。。
『零…初めて会ったとき俺が言ったこと、覚えてる?』
「『俺と初めてじゃないんだよ』ってヤツ?」
そう私が言うと亮二は頷く。
『俺、冗談だよ、なんて言ったけど冗談じゃないんだ、本当は。』
亮二は冬晴れの空を眩しそうに見つめていた。
真っ青な空に浮かぶ真っ白な雲
空気が澄んでいるせいかいつもよりキレイな空に見える。
『零はきっと、覚えてないんだよな
高校3年の夏だったかな…
俺たち3年にとって最後の大会だった』
亮二は懐かしそうに笑いながらそんなことを言う。
でも私は思い出せずにいた。
『大会』
ってことは…陸上大会だよね?
亮二も陸上部だったんだから。
3年の夏の最後の大会…
確か…私、未来の応援に会場まで行ったんだよね。
おしくも未来は準優勝で泣きながらメダル…もらってたっけ?
私が思い出したのはそれだけ。
あのとき、なんかあったっけ…