【続】ねぇ…先生。。
その日に私は調理室へ行った。
きっとこれが最後。
先生と2人きりの調理室は今日で最後だ。
扉を少しだけ開けると中には先生の姿があった。
でも先生は何か考えているようで机に肘をつき、
手で頭を支えるようにして目を閉じていた。
ゆっくり扉を開ける。
でも先生は私に気づく様子はなくて。
目を瞑ったまま黙っていた。
先生も…悩んでる。
ふと、そんなことが頭をよぎった。
私が悩んでいるように
先生も悩んでくれている。
ただ、きっと先生はもう自分から手を離すようなことはしないだろう。
『…………れい?!』
ゆっくりと目を開けた先生は私の顔を見て目を丸くする。
「あ…ごめんね?
邪魔…だった??」
他人行儀なのは分かっていた。
先生がどんなに忙しそうにしていても私はおかまいなしと堂々とイスに座って。
でも、今はそんなことができなかった。
怪しまれるのは覚悟の上だったし。