【続】ねぇ…先生。。






『なんか…ここも久しぶりだよな』


ニコッと微笑む先生の向かいに座る。

とても横に座る勇気はなかった。



「うん、そうだね」


精一杯の作り笑いを浮かべた。


調理室に来たのは約2週間ぶりくらい。

ついこの間まで期末テストで。


先生は試験問題作るのが忙しくて
終わったあとは答え合わせで忙しくて。


私も私で勉強が大変で
ここに来る余裕がなかった。


久しぶりの調理室でいつもなら盛り上がるはずなのに。


なぜか調理室はおかしな空気が流れていた。



『零…ちょっとぼーっとしすぎだよな』


クククッと笑いながら先生は言う。

それは必死でこの変な空気を繕っているような気がして。



「だって先生の授業、暇だもん」


私は悪戯っ子のような笑みを浮かべた。


今、考えたって仕方ない。

どうせなら今というこの時間を大切にしなきゃいけない。


そんな気がしたから私は何もないような顔をして言った。



これで…いいんだよね?


私…間違ってないよね?







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