【続】ねぇ…先生。。
嫉妬
『じゃ、授業は終わり!
来週、エプロン忘れないようになぁ~』
チャイムが鳴る少し前に先生は教室を出て行った。
私もあとを続くように教室を出る。
真希ちゃんの質問には
「好きじゃなかったよ」
と、一言だけ答えた。
真希ちゃんは何も言わなかったけど、きっと疑ってる。
はぁ~…
うまく…行くのかなぁ…
『なぁ~に溜め息ついてんだよ?零ちゃん??』
頭の上から声がして。
この声は…
「…………せんせ」
顔を上げると案の定、悪戯っ子のような笑みを浮かべる先生がいた。
『教育実習初日にして、もう挫折しそうなのか??』
チャイムが鳴る前だから廊下は静かで。
先生の声が廊下に響く。
「違うよ、そんなんじゃないんだ…」
先生の横を通り過ぎて職員室へ行こうとする。
それなのに
『待てよ』
と、先生に腕を掴まれて。
久しぶりに聞いた先生の真剣な声。
ごめんね…先生。
心配してくれてるんだよね?
でも、私…言えないんだ。
何も、言えないから…
ごめんね…先生…