【続】ねぇ…先生。。





「零ちゃん!すごいじゃない!!

授業、すごく良かったわよ?
教え方も、黒板の書き方も。

私が教えることなんて何にもなかった」


ニコニコと笑いながら水谷先生は私の手を取り握手をする。



「えへへ…ありがとうございます」


なんて言う私だけど実はあれは教えてもらったんだ。

先生に。


昨日の夜、コツを教えてもらった。

私はそれをただ、実践しただけ。



「次の授業も頑張ってね?」


はい、と元気よく答えると同時にチャイムが鳴る。

水谷先生と一緒に教室へ向かう。



「正直さ、結婚とか…考えてないの?」

この水谷先生の言葉にはさすがに驚いた。


け、けっこんって…



「だってもう付き合い始めて4年でしょ?

そろそろじゃない?結婚」



「でも先生、忙しそうだし、私だって…」



「でもさ、」


水谷先生に言葉を遮られる。



「朝倉先生はそうは考えてないかもよ?

男ってもんは、女より結婚願望あったりするしね。


私だってプロポーズはものすごく突然だったし」


そんなことを言われると期待してしまうからやめてほしい

でも


『結婚』


この響きに憧れていないと言ったらウソになる。

けどきっと、まだまだ先の話なんだろうな…






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