【続】ねぇ…先生。。
伊藤ちゃんの温かい眼差しが余計に涙を煽って。
やめてほしかった。
私は俯き気味に話を再開する。
「私とその人が今こうして幸せにいられるのは
自ら手を離す辛さも
大好きな人が傍にいない苦しみも
よく、知っているから。
相手のため…と思ってしたことが実は相手のためなんかじゃないときがある。
自分のため…なんて言うのは臆病な証拠
恋愛って楽しいことばっかりだと思ってる人…いるよね?
私も最初はそんな夢を見てた。
でも実際はそうじゃない。
辛いこと、苦しいこと、切ないことばっかり。
それでも一瞬の幸せがイヤなこと全てを吹き飛ばしてくれる。
恋愛に格好良さなんていらない。
格好悪くたっていいの。
純粋に、その人のこと愛すだけで…それだけでいいの
きっとみんなはこれからたくさん恋すると思う。
だから覚えておいて。
今日、私が話したことを胸にその人を愛して下さい
今の私が伝えられるのはこれくらい。
長い話に付き合わせて…ごめんね?」
目から一粒の涙が零れる
私はそれを拭い、みんなの顔を見た。