【続】ねぇ…先生。。
最後の教室
『先生って、彼氏…いたんですね』
窓際の1番後ろの席に座る私の前に憲悟くんが立つ。
「そう言えば言ってなかったよね」
今日、話の中でチラッと言ったんだったっけ
『………どうして最初に言ってくれなかったんですか…』
え?と言って顔を上げると憲悟くんはひどく、哀しそうな顔をしていた。
『どうして最初に…彼氏いること、教えてくれなかったんですか?』
「憲悟くん…どうしたの??」
俯いたまま、何も言わない憲悟くん。
私は立ち上がるとそっと、憲悟くんの背中に触れた。
「…………っ憲悟くんっ?!」
憲悟くんは私の腕を引き、自分の腕の中におさめてしまった。
私は腕の中で必死に抵抗
『少し…静かにしてくださいよ』
ぎゅっと憲悟くんの腕に力が入って。
とてもじゃないけど、憲悟くんの力に勝てるワケがなかった。
なのでここは大人の余裕で、冷静に
「憲悟くん?離して…くれる??」
そう、言ったのに。
『それは…無理なお願いですね』
なんてサラリと却下される。