【続】ねぇ…先生。。
背中
『俺が合図送るまでここにいろよ』
伊藤ちゃんはそう言って教室に入って行く。
【ドキドキドキ】
体が全部、心臓のようにドキドキとものすごい音を立てて。
どれだけ深呼吸してもそれは収まらなかった。
『みんな、ジャガイモ。
ジャガイモだからな』
そんな声が頭の中で聞こえた。
これは昨日、先生に言われた言葉。
そうだ。ジャガイモ
みんな…ジャガイモなんだ。
『西城先生』
伊藤ちゃんに呼ばれて教室に入る。
とにかく心の中でジャガイモを唱える。
『西城、自己紹介』
伊藤ちゃんに小声で囁かれ、私は口を開く。
「西城零…です。
この高校出身で、伊藤先生のクラスでした。
これから2週間、よろしくお願いします」
さすがにジャガイモには見えなかったけど、
でも自己紹介はうまく行った方だと思う。
はぁ~…
まずは第一関門突破!