はっぴーえんど。
時刻はもう5時。
既にあたりはオレンジ色に染まっている。

私は樹くんと繋がれている右手をみた。そして、そのまま樹くんへと視線を移す。

あ…目が合っちゃった…。

私は恥ずかしさのあまり、下を向いた。

上からは樹くんの小さな笑い声が聞こえた。

「俺、鈴と会えただけでも嬉しかったのに、どんどん欲張りになってる。」

「よくばり…?」

「もっと鈴に触れたいし、おもいっきり抱きしめたい。ごめん…俺が怖くなったら言ってね。俺、鈴のことは誰よりも大切にするから…」
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