はっぴーえんど。
「裕太…私、さっきみたいに裕太に押されて来ちゃったけど…私、後悔してないから…!これからすることは、私がやりたいから、することだから…。」

裕太は黙って頷いた。

電話番号を打ち込む手が少し震える。

…でも、ここで逃げたら、一生お父さんとお母さんに会えない気がする…

『もしもし…どなたでしょうか…?』
久しぶりに聞くお母さんの声。

「あ、私…鈴だよ!」
お母さんは驚いたように間を置いて口を開く。

『鈴…樹君から連絡あったわよ…2人で住むの…?』

「ち、違う!私はお母さんとお父さんと…一緒にいたいの…!」
勢いで言った言葉。
でも、嘘じゃない…本心。

『今、仕事中だから、お昼にお父さんも呼んで3人で話しましょ。』
お母さんは少し戸惑いながらも電話を切った。
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