はっぴーえんど。
「こんなことになるなら、鈴を鎖で繋いで逃げられないようにすればよかった…」

怖い…素直にそう感じた。

「い、樹くん…?」

「怯えてる?可愛い…」
樹くんは私の首筋に顔を埋めた。

「や、やだ…っ。やめて…っ。」
初めて君を拒絶した。

「俺がどれだけ、愛しても君は逃げる…俺はどうすればいいの…?」
私の頬に君の涙が落ちる。

泣かないで…
そう言いたいけど、そんなこと言う権利、私には無い。

「…ごめんなさい…」

「…逃がさない…。」

樹くんはニコリと笑うと私に覆いかぶさった。

「ひゃっ!?」

カチャ…

樹くんはゆっくりと私から体をはなした。

「俺をこんなのにしたのは鈴のせいだよ…。最後まで責任取ってよ…。」
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