はっぴーえんど。
連れてこられたのは、樹くんの家にあるジムだった。

樹くんの家は県立高校と同じくらいの大きさで、ジムまでついている。

「大きい家だね。迷っちゃいそう…」
「鈴はここで住むんだから、家の見取図も覚えてもらわなきゃだね。」

樹くんは私にバスケットボールをパスした。
久しぶりのバッシュの音。
私は高揚する気持ちを抑え、ドリブルをする。
バスケをするのはいつぶりかな…。
でも、体は忘れてない。

「ナイスシュート」
樹くんは私が点を決めると、嬉しそうに目を細めた。

「…なんか、小学生に戻ったみたい。」

私も君につられて微笑んだ。
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