はっぴーえんど。
シャワーを浴びながら、私は今日のことを思い出していた。

「バスケ…楽しかったなぁ。」

あのあと、樹くんは私の足枷を外し、好きな時に外に出ていいと言ってくれた。

…と、言っても、ここがどこだか分からないんだけど…。



「お風呂、長かったね。」
お風呂から上がれば、樹くんが胡座をかいていた。
「おいで。」
私は黙って、君のあぐらの上に腰掛ける。

「シャンプーのいい匂い。」
私は擽ったそうに笑う。

「樹くんもシャンプーの匂いするね。」
男の人用のスッキリしたミントの匂い。

「俺はこの花の匂いの方が、好き。」
そう言って、君は私を抱きしめる。
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