はっぴーえんど。
樹が背中に背負っていたのは小さな女だった。

黒い髪に白い肌。
…まるで、人形。

俺はあの日からその子に会えないか邸内を探したが、1度も会うことは無かった。


しかし、ある日、俺はその少女に出会う。


『あれ、書斎のドアが空いてる…』
この書斎は俺以外は入ることの無い部屋。

そっと入ると少女が本棚の1番上の本を取ろうとして、体制を崩した。

俺は急いで本棚と少女を支えた。

少女の大きな瞳が俺を捉える。

俺は一瞬怯んだが、彼女の様子をマジマジと見る。
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