はっぴーえんど。
樹君は手際よく私の足にガーゼをし、包帯を巻いてくれた。

「この傷は針か何か踏んだ?それとも、誰かにやられたの?」

樹君は私の足に顔を近づけた。

「うーんと…。」

「鈴は昔と変わらず優しいね。」

樹君は私の足を置いて、柔らかく微笑んだ。

「そんなことない…みんなに抗うのが怖いだけだよ…。」
私はずるい子。
亜美ちゃんみたいに心配してくれる子がいたのに、なにも話せないんだもん。
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