★甘い砂糖★sweet sugar
ピンポーンピンポーン
ピンポーンピンポーン
何回も押さなくても出るって‥
と俺は重たい腰をあげて
玄関に向かった
扉の前に来て
開けた時に柚梨だったら
いいのにという期待感を
もちながら扉をあけた
"ガチャ"
「駿!やっと会えた!」
扉の向こうにいたのは柚梨
ではなく昔の"不特定多数の彼女"だった
「なんだよ?」
「だって駿、彼女出来てからあたしが話しかけてもシカトだったじゃん?」
と女は髪の先を指でくるくる
しながら言ってきた
「当たり前だろ?もう帰れ」
俺は柚梨と会いたいんだよ
お前じゃねえ
「じゃー‥駅まで送って?だったらおとなしく帰る!」
「送る暇なんてねえんだよ。一人で帰ってくれ」
俺は女の顔を見ずに言った
「ふーん‥そっか」
するとカツカツと向こう
の方から足音が聞こえた
「だったらあたしにも考えあるよ?」
そう言ってニヤリと笑った
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