私と貴方
4❀✿スレ違い
···柚子
柚子・・
螢斗は、
新しい会社に勤め出してから
本当に帰りが遅かった。
接待や会議、仕事が大変なようで
帰ってきても毎日ピリピリ・・
その上、接待で遅い日は・・・
彼の助手だと言う女性に肩を
抱かれて帰ってくることが
度々・・・・
「市川 上がれ、
おい、市川と飲むから
なにか、作ってくれ」
「専務、もう遅いので
私は、これで失礼をします。」
と、助手の女性が言うと
「かまわん、
こいつは家にいて
一日ぼぉーっとしている
だけなんだから
それにまだ、仕事の話がある。」
初めは、市川さんも遠慮して
なんとか、螢斗を私に託して
帰っていたが・・・
度重なると
「奥さま、すみません。
専務が中々、離してくれなくて。」
と、私を警戒しながら
段々と私を蔑むような
顔になって行った。
螢斗にも
子供達もいるのだから
家に女性を連れて来ないで
欲しいと何度もお願いした。
見えないところで
やってくれるなら我慢もできる
仕事だと思えば良いし
子供達にも迷惑をかけない。
だが、毎日、朝早くから、
夜遅い時間まで
一緒にいる二人は、日に日に
異様なほどベタベタ体をさわりあい
引っ付くようになって行った。
何度言っても螢斗は、
市川さんを家に連れて帰り
二人で私をバカ呼ばわりする。
私は、なかば呆れながら
酒とつまみの用意をすると
二人を相手にすることなく
自分の部屋に入り過ごした。
朝、食事の準備にリビングに行くと
床の上で二人が抱きあって
寝ている事もしばしば・・
時には、螢斗の手が
市川さんの胸元に
入っていたり・・・
螢斗の体の上に
スカートが捲りあがり
足があらわになった
市川さんの足が乗っていたり·····
市川 まどかさんは、
30代の綺麗な女性だった。
郁斗も杏も、ほぼ毎朝
そんな父親に呆れ、
軽蔑する顔をしていた。
二人の子供達は、
私を大事にしてくれていて
行事があると必ず
私と過ごしていた。
二人には、
「私の事は気にしないで
友達や恋人と過ごしていいのよ。」
と、言うけど、
「「ママ・お母さんといる」」
と、言ってくれていた。