振り向かせて、その先は。【2月3日完】
「いつになったらその低い自己評価を改めるの?前にも言っただろ、君は綺麗だし優秀だ」
「え」
「そういうとこ。目が離せない」
腰に腕を回され、ぐっと距離が近づく。
「こんな大胆で魅力的な告白をされて、イエスと言わない男はいないよ」
ほんと、ずるいな君は。
そう耳元で囁かれ、身体中が熱くなる。
「その気持ちには、今すぐ応えないといけないね」
「あ、あのっちょっと、このあと会議が」
「待たない」
社長の顔が近づいてきて、かさつきのない唇が自分のそれに重ねられた。
ああ、チョコレートよりも甘い。
なんて、頭の片隅で考えられる余裕までかき消されたのだった。
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