仮面のシンデレラ
「やっぱり、オズも早く笛を手に入れたいよね。」
「…あぁ。」
理由は違えど、目的は一緒だ。
オズが何を知りたくて笛を求めているのか前に聞いた時は教えてくれなかったが、彼にも言えない事情とかがあるのだろう。
私も、早く人間界への帰り道を探さなければならない。
するとその時。
私たちの会話を聞いていたシラユキくんが、笑顔で口を開いた。
「今回はダメだったけど、僕はこれからも笛探し頑張るからね!」
「あぁ。ありがとな、シラユキ。」
すると次の瞬間。
シラユキくんは笑顔のまま、さらり、と言い放った。
「うん!早く笛に教えてもらえるといいね。オズの“初恋の女の子の居ば”………」
「!!!」
(え?)
と、シラユキくんが全てを言う前に、彼の顔面に枕が投げつけられた。
「ぶっ!!」と呻いたシラユキくんは、そのまま椅子から転げ落ちる。
私は、きょとん、としてシラユキくんを見つめていた。
(…今、なんて…?)