仮面のシンデレラ
「しっ、シラユキくん?!」
そこにいたのは、見知ったブロンドの髪の青年。
そして、彼を取り囲む“骸骨”と“ゾンビ”の集団だった。
(っ、な、なにが起こってるの?!!!)
晴れやかな公園にそぐわない身の毛もよだつような悪霊を目の当たりにし、絶句する私とチェシャ。
シラユキくんは、眉を寄せて悪霊たちと言い合いをしているようだ。
「そろそろいいでしょ…!僕を“候補”にされても困るの!」
『いや、お前は稀に見ない上物だ。今夜のパーティに必ず来てもらう…!』
状況はよく分からないが、揉めているらしい。
彼の腕が骸骨に掴まれた瞬間、体が自然に動いていた。
「チェシャ。ちょっとここで待ってて。」
「えっ?エラ?!」
チェシャが目を見開くと同時に、集団の中心に躍り出る。
ぐいっ!
反対側のシラユキくんの腕を掴むと、その場にいた全員の視線が集まった。
真昼の公園に、私の声が響き渡る。
「私の友達に絡むの、やめてもらっていいですか!」
「『!』」