仮面のシンデレラ


「どういうこと…?」


オズは少しの沈黙の後、私に答えた。


「俺がずっと探している人の手がかりをウサギが知っているはずなんだが、どうも毎回はぐらかされてな。…一緒に住むくらいの仲のあんたになら、警戒心が緩んで本当のことを喋るかもしれないだろ?」


(…だから、ウサギさんについて分かったことをオズに報告しろ、ってこと?)


彼のエメラルドの瞳に、戸惑う私が映っている。


「あんたがこの交換条件を呑んでくれるなら、俺もあんたに、笛の情報を渡してやる。」


「…!」


「悪い話じゃないだろ?」


(笛の情報をもらえるんならありがたいけど…)


私は辺りを見回しながら、こっそりオズに囁く。


「…でも、それってウサギさんの秘密を探ってるみたいで、なんだか申し訳ないっていうか…」


「1000万ダイヤを偽装したあんたが何言ってんだよ。」


(…。それもそうか…。)


何も言い返せない私は、彼の提案に頷いた。

オズは「交渉成立だな。」とニヤリと笑う。


(何だか、どんどん悪いことに巻き込まれていっているような気がしてきた…)


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